このまま自分は何者にもなれないのか

 いい年してるのに、ちょっと夢を見ちゃう自分が少し気恥しい。

どこかで自分は何者かになれるのではないかという淡い期待のようなものが心の奥底でくすぶっていて、いつまでも細々と煙をチロチロと出し続けている。モクモクと煙くなればまだいいが、本当に気づくか気づかないかくらいの、団扇であおげばすぐ消えて匂いすらも感じない、まるで線香花火から出てくる白っぽい煙くらいのやつだ。


あきらめてしまえばいい。


そうすればきっと、自分という人生をようやくスタートできるはずなんだ。何者かになんてなれなくていいしなる必要もない。自分という人間をやればいいだけなんだ。この人生は。

それを俺はいつまでも何かに期待して、もしかしたらが思考傾向の夢見る少女おじさんだ。


あきらめることが肝心だ。


自分が出来ることとこれから残された時間。
それはもう増やすことはできない。
どれだけ目減りを抑えていくか、そういう考え方が必要になってきた。


あきらめれば何かが。


そう、今あきらめて自分自身を認めれば、きっと何者かになれるはずだ。

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